35歳を過ぎてからは、僕は毎年人間ドックを受診しています。
35未満の時は、人間ドックなんて中年にのみ課されたイケてない行事と受診者を
悲哀の目で見ていましたが、気がつけば毎年受診して今年で8回目のベテランとなって
しまいました。
初めての人間ドックは興味津々で、一体どんな種目(とは言わんか)があるのか
ワクワクドキドキしながら病院の玄関に入ったものですが、印象としては通常の健康診断
に毛が生えた程度かなという感じでした。
身長、体重、視力、尿検査、血液検査。これが普通の健康診断科目だと思うのですが
人間ドックはこれに加えて、レントゲン、超音波検査(いわゆるエコーってやつ)
聴力検査、色盲検査、心電図検査、それに胃部レントゲン検査です。
胃部レントゲン検査、通称「バリウム検査」は
事前の噂では、キツいという人、大したことないという人、半々の感じでした。
実際に経験してみると、バリウムそのものは濃すぎるのどごしではありましたが、何か
ほんのりバニラ味が付けられており、どちらかというと「おいしい」部類に属するのでは
と感じましたが、きつかったのは炭酸です。
白い顆粒をほんの少しの水で飲むのですが、その顆粒が炭酸の素で、みるみるお腹で
ジュワジュワ膨張を始め、コーラかビールを飲んだ直後のように、すごくゲップをしたく
なるのです。
この炭酸は、お腹を膨らませて撮影しやすいように飲んでいるので、ゲップを出しては
ならず、それを我慢しながら、3D的な動きをする台の上で医者の指示に従い、「はい
うつぶせになって。ちょっと右を上げて、はい今度は上を向いて、あちょっと左腰を
上げて」などと、別室からマイクを使って言いなりで非常に小刻みで速い動きの指示を
受けるのです。
バリウムさえ飲んでいなければ大した動きでもないのですが、ゲップを我慢しながらの
お腹の膨れた状態で、あのような小刻みな動きを強いられるのは、苦痛そのものです。
ああせいこうせいという医者が憎らしくさえ思えてきます。まあ、そのように細かい
動きをさせて、胃の中のバリウムを見やすい位置に動かしているのは理解していますが。
ようやく終わってバリウム臭のゲップをした時の安堵感はまた格別です!?
しかし本当の苦痛はその後に待っているのです。
バリウムは、体にとっては重金属であり異物ですので、使用後は速やかに体外に排出する
必要があります。
まさか吐くわけにはいかないので、吐かない以上出口はもう一つの穴からしかありません
バリウム自体にも下剤が混入されていますが、受診後の精算時にきちんと下剤を2錠
ありがたく頂戴します。
下剤、というと何か飲んだ瞬間激しい便意を催して、電車の中でエラい騒ぎを起こしそう
だと勘違いしそうですが、そのような事はなく、あくまで自然な便意ながら一旦もよおし
たら、いつもよりはかなり勢いが良いという感じです。(何を必死に説明しているのか)
ところがこのバリウムくん。僕の体内が非常に心地良いようで、2錠の下剤程度では
簡単に出て行ってはくれないのです。
そうして体内に残留すると、次に待つのが腹痛。シクシク痛んでこれがまたかなり不快
なのです。
やがて時間が経過し、難産の末どうにかこうにか別れを告げる事ができたと思ったら
最後の最後に最大かつ最低の苦行が待ち受けているのです!
それは・・・
バリウムくんは、トイレで流れてくれないのです!
まるで便器と一体化したかのように、いくら最高の水圧で流そうとも、紙を利用して
水圧を上げてその力で押し流そうとしても、バリウムくんはビクともせず、便器の底で
「へへっ!オイラを流せるものなら流してみな」とせせら笑うように、どっしり鎮座した
まま、排出された形を保って平然と強力な水流を受け流しているのです。
挑戦すること数回。しかし毎回それは確実に徒労に終わります。
そこで僕の取る手段は・・・割り箸でのピックアップです。
便座前にひざまずき、お骨を拾うかのように、神経を集中させながら、慎重かつ大胆に
震える指先で、一つ、また一つとすくい上げていくのです。
話が相当脱線しましたが、人間ドックのイヤなところは受診そのものではなく、便器前に
ひざまずいて、バリウムをすくい上げる行為が必至だからです!?
しかし、健康は何より大事。最近体重が相当絞れているので、次回の検診が楽しみです。
ではバドミントンの話。
<利き腕の付け根を狙おう>
バドミントンのレシーブは、基本的にバックハンドで構えるものです。
理由は、バックハンドの方が取れる範囲が広いからです。
これはよく言われていることなので、今更の感もありますが、フォアハンドでレシーブ
しようとすると、バック側が取れないのです。
正確に言うと取れない訳ではありませんが、どう考えても不自然かつ理に適っていない
フォームになってしまいます。
バックハンドならば、自分のフォア側にも腕が回りますし、バックハンドのままフォア側
の上の方の球を回外を使ってさばくこともできます。
ということで、レシーブはバックハンドで構える事が殆どなのですが、取りにくい所が
一ヶ所あります。それが表題の「利き腕の付け根」なのです。
右利きの場合、右肩から右ひじの周辺、つまり右肩から右脇の近辺は、人間の体の構造上
取りにくい仕組みになっているのです。
なので、この場所を意識的・積極的に狙っていくのは非常に得策だと思うのです。
スマッシュというと、昔から角度のあるのが良いと言われ続けてきて、それは確かにそう
なのですが、一定の角度ばかり打っていたら、相手もそれに備えたレシーブの構え
つまり床付近にラケットの意識を集中できるので、自分ではかなり速くて威力あると
思っていても、相手にとって実は取りやすかった、ということが良くある事なのです。
利き腕の付け根部分が取りにくいのは、打たれる方も打つ方も経験的に実感しているもの
と思います。
しかし実戦の場で、あえてそこを狙っていっている人はまだまだ少数ではないかと
思います。
何を打たれても平然と返されるようなレシーブ上手に対しても、このコースを交えていく
事により気を遣わせることができて、たとえ一発で決まらずとも甘い返球が期待でき
ますし、一発で決まることもあるコースだと思います。
勿論、このコースだけではなく、方向、高さ、速度などいろんなパターンのスマッシュを
交えて攻撃に変化を付けていく事が重要ですが、基本的に、特に即効性のあるコースが
利き腕の付け根だと思いますので、もっと意識的、積極的に狙っていきましょう。
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バリウムもキツいのですが、もっとキツいのが胃カメラです。
昔、急性胃炎を患った際、人生初胃カメラを飲むことになったのですが、検査当日まで
恐怖感にさいなまれ、嫌がる僕に医者が無理矢理口を開けさせ、写真を撮る普通の
スチールカメラを押し込む悪夢に幾度と無くうなされたものでした。
そうして検査当日、おそるおそる待合室に入ると、そこにはやはり胃カメラを飲むことに
なっている上品な中年女性が落ち着いたたたずまいで腰掛けていました。
「僕、胃カメラ初めてなんで怖いんですよ」と話しかけたら
「そうですよね〜。いやですよね〜。おほほほほ」
と、胃カメラ経験者のその女性は、経験者ならではの余裕の受け答えだったので、僕は
少し落ち着きを取り戻したのでした。
やがてその女性が先生に呼ばれて、検査室に入っていって数分後、わが耳を疑うほどの
激しく野太い叫び声が、検査室の薄い扉の向こうから聞こえてきたのでした!
「オゲ〜!ウォーーー!オエーーー!!!」と、野獣の雄たけびのような苦悶の叫びに
あの先ほどまで「おほほほほ」と上品そうに微笑んでいたあの女性を、一体どのような
責め苦で拷問したら、あのような想像を絶する恐怖の呻き声が出せるのかと思うと
僕はすっかり怖気づいてしまったのでした。
しかし、胃カメラもその後2回目にもなるとすっかり慣れて、お医者さんから「うまい
ねえ〜。いい患者さんだ」とお褒めの言葉を頂いてご満悦の僕なのでありました。
今日から東京に帰省です。
さっき親父に電話したら「分かった。けど今夜は飲み会でおらんぞ」とのこと。
今晩は実家で独り酒です・・・いつものことですけどね。
ではまた!