場所は奈良県桜井市。以前ブログに書いた大神(おおみわ)神社
のすぐそばの、芝運動公園総合体育館が会場でした。
土曜日はダブルスで、僕らと同じ45歳の部に出場する寺尾・真野
ペアと一緒に、真野くんの車で会場に向かいました。
道中、車内の会話は、いつも通りに他愛のない冗談がメイン
でしたが、寺尾・真野ペアは、密か!?に決勝進出を狙っており
決勝で僕らを倒すことを目論んでいる気持ちが、会話の端々に
アリアリとにじみ出ていたのでした。
昨年の大阪社会人クラブ個人戦の時こそ、僕の不調(実力)で
ファイナルの辛勝ではあったのですが、それ以外の対戦成績は
寺尾・真野ペアにはおそらく練習も含めて一回も負けたことが
なかったので、元来自信家の見市は、僕らに勝つという大それた
!?発言をのたまう寺尾・真野ペアに対して、和気藹々の車内が
凍りつくような、大胆不敵な発言をぶっ放したのでした。
「正岡と飲み会の時なんかで話してたことやけど、寺尾真野ペア
には”生涯”負けへんわ」
と、驚愕の「今回の人生では君らには負けない」発言を、確信に
満ちた表情で断言したのには、真野くんが握るハンドルも
小刻みに震え、寺尾さんの額はその時5mmも後退してしまったとか
しなかったとか・・・!?
そこまで言われた寺尾・真野ペアが発奮しないはずもなく
試合では熱戦をものにして、堂々、決勝までコマを進めてきたの
でした。
一方の僕らは、一回戦は冷え切った体が全く動かず、第一ゲームを
あっさり落とし、第二ゲームこそ取り返したものの、僕の得意!?
の凡ミスが炸裂して、競り合いのまま終盤まで突入し、あわやの
一回戦負けを食らうところでしたが、最後は何とか逃げ切って
初戦を突破しました。
続く二回戦は、2-0で勝つには勝ったものの、相変わらずミスの
多い僕は、サーブもあまり入らず、これまた接戦になってしまい
ました。
続く準決勝は、これまで何回も対戦している大阪の田中棟居ペア
でした。
この相手には、今までダブルスもシングルスも負けたことは
なかったので、イヤな思いを持っているのは相手の方だとは
思ったのですが、昨年の全日本シニアでは8強入り(僕らは16)
しており、今回こそは僕らにリベンジという気持ちは強く持って
いるはずで、僕らが1・2回戦と同じ調子ならちょっとマズいかも
と僕は警戒しておりました。
加えて、見市が「得意」のふくらはぎ肉離れを抱えており(原因
はなわとびのやり過ぎ・・・)激しいプレーができない状態という
ハンデも抱えていました。
事実、試合に入っても、見市のプレーは上げて打たせてレシーブ
するばかりで、ぜ〜んぜんスマッシュを打ちません。
元々レシーブは上手いので、それでも相手ペアの攻撃を涼しい顔
でさばいているのですが、僕にはそんな余裕も技術もないので
僕のところに来た球は、いつもの調子で打って突いて前に出て
押し込んで、という、僕だけ熱く攻める感じのゲーム展開でした。
相変わらず田中さんのスマッシュは重く速かったですが、気持ち
体重増えたかなぁ、という棟居さんのネット前でのミスが目立ち
また、田中さんのスマッシュも力みからか気負いからか、ラインを
割るケースが多く、ふたを開けてみると、今までの対戦の中でも
最も楽な感じの2-0で勝たせて頂きました。
これで決勝進出です。
決勝の相手は、前述の通り「生涯負けない」寺尾・真野ペアです。
不謹慎ながら、決勝に進出した時点で、僕としても優勝を確信した
のですが、もちろん僕は全力で攻撃して、決して余裕など持たずに
しっかり勝ち切ろうと思っていました。
ところが、見市は余裕にさらに拍車が掛かり、近畿シニアの決勝
だというのにもかかわらず、全ての球を上げて、自分からは一切
攻撃しないという恐るべき作戦を決行したのでした。
まるで、マスターズの韓国戦時の「おもてなし」プレーを彷彿と
させる、自らは決して決めにいかずに、相手がミスるまでつなぐ
真綿で首を絞めるようなラリーの組み立てなのでした・・・
もちろん肉離れがあったので、スマッシュを打つのは厳しかった
ようでしたが、それにしても全てクリヤーで返すという余裕綽綽
のプレーは何という自信なのでしょうか。
マスターズでも一緒になったふる〜るの西林さんいわく、見市の
プレーは
「仙人みたいやね」
とのことでした。
見市が全て上げるのに、寺尾・真野ペアは、見市の肉離れを知って
いて攻撃してこないと分っていたので、向こうも執拗に見市に
向かって球を返してきました。
途中、真野くんと見市の間でクリヤー合戦が一体何本行われたこと
でしょうか・・・
僕は、決勝であまり球に触った記憶がありません・・・(^^;
しかしそんな不遜極まりない展開でも、実力差は歴然でしたので
見市の宣言通り、生涯負けない相手には、今回も問題なく勝たせて
頂き、僕らの優勝となったのでした。
僕らが近畿シニアのダブルスに出場したのは二回目ですが、10年前
第一回近畿シニアでも優勝していたので、気分的には連覇です!?
その他の結果としては、40歳ダブルスでは、マスターズで一緒に
戦った有田・林ペアが貫録の優勝でした。さすがですね。
35歳ダブルスでは、40歳になったらマスターズのメンバーに!と
虎視眈々と有田・林ペアの座を狙っている有田(弟)・虻川ペアが
優勝していました。
55歳ダブルスでは、同じチームの幡野さん野牧さんペアは、強豪の
川口近藤ペアにファイナルまでもつれ込む熱戦を繰り広げましたが
僅かに及ばず無念の3位でした。
幡野さんは、最近ずっと膝を痛めておられ、練習もままならない
状態でしたが、ダブルスは何とか出場されて頑張っておられた
ものの、翌日のシングルスは大事をとって棄権されていました。
翌日にシングルスが控えておりましたが、限定一時間ということで
見市と地元で祝杯をあげました。僕はもっと飲んでも問題なかった
のですが、見市が子供をお風呂に入れてあげる必要があったため
なのでした。
さて翌日はシングルスです。
その日は僕が車を出して真野くんを拾い、前日と同じ会場まで
一緒に向かいました。
当日は、シングルスの他にミックスも実施されておりましたが
ミズノスクールの生徒さんも二人出場されていたのです。
兵庫の坂田さん、大阪の和中さんです。
会場に到着した時に、既に坂田さんの試合が始まっていて、慌てて
コートの近くの応援に行きましたが、その対戦相手が大阪の渋谷
さんペアでしたので、渋谷さんに
「応援に来てくれたのかと思った」
と誤解!?を与えたのは、申し訳なかったです・・・(^^;
そういう状況でしたので、あからさまに坂田さんを応援もできず
温かく見守るような感じで観戦しておりましたが、ファイナルに
もつれ込む接戦となり、渋谷さんペアが20-19とマッチポイントを
握り、そこでのロングサーブを坂田さんがネットに引っかけて
ゲームセット・・・
坂田さんペアは、無念の初戦負けとなってしまったのでした。
接戦でしたので残念でした、が、しゃあないですね。
また、頑張って練習していきましょう!
そして和中さんは、僕の大先輩、山田敏勝さんとペアを組んで
おられました。
一回戦をコーチ席から拝見させて頂きましたが、余裕の内容
でしたので、1ゲーム終了時点でその場を離れました。
その試合は問題なく勝ったようですが、最後はどうなったので
しょうか・・・?
僕の初戦は、一回戦を勝ち上がってきた兵庫の井口さんでした。
井口さんとは過去2回対戦したことがあり、そのいずれも僕が
勝利していました。
最初の全国社会人クラブ個人戦決勝では、2ゲーム目の後半、僕は
井口さんに大いに苦しめられましたが、その次の試合では、井口
さんのミスに助けられて、あまり競ることなく勝利していました。
試合前に井口さんは「今回は、もっと早く終わりそうです」と
自信なさげなセリフをおっしゃっていましたが、果たして実際の
試合展開も、井口さんのバックアウトミスがメッチャ多くて
2ゲーム目の後半は、5〜6本くらい連続してアウトにしてくれた
ことも大きく、大差での完勝となったのでした。
続く二回戦は、兵庫の永井さんです。
永井さんとは、昨年の全国社会人クラブin三重で単複対戦しており
ました。
ダブルスは負けましたが、シングルスは決勝で勝っていました。
僕から見たら小柄な方ですが、よく動きよく打ってきて、何より
気合いがものすごい方なのです。
エースを決めたりしたら、非常に大きな声で雄叫びを上げる方
ですので、乗らせたらマズいと思い「打たれる前に打つ」作戦で
いきました。
僕のスマッシュもよく決まりましたが、永井さんにもそれなりに
決められました・・・
しかし、永井さんのクリヤーに若干バックアウトが多かったことと
チャンス球を打ったスマッシュを、大きくサイドアウトしてくれた
ことが点差につながり、最後は僕の珍しい!?ハイバックからの
スマッシュでエースを取り、2-0で勝利できました。
試合後、気合いの塊の姿から、普段の人懐っこい表情に戻った
永井さんは、すぐさま僕にアドバイスを求めてこられました。
僕は今回も本音で「チャンスボールでのアウトが痛かったと思い
ます。あれでだいぶ楽でしたので」と伝えたところ
「やっぱり早く点が欲しいんですよねぇ・・・」
とのことでした。
「それは僕も同じですけど、やはりミスったらそれで即1点を献上
してしまうので、取られたとしても、いや取られることを前提に
コートの中に打っていかないといけないんでしょうね」
とダブルスでの自分にも言い聞かせるようなつもりで、ショボイ
当たり前のアドバイスをさせて頂きました。
全然大したこと言えなくてスミマセン(^^;
この試合が終わったタイミングで、ブログの読者さんであり
会場近くの宇陀市に居られる上田さんが、わざわざ応援に駆け
つけて下さいました!
ブログへのコメントで、体調不良で来られないと伺っていたので
ビックリしましたが、体調も良くなったとのことで、お土産持参
で来られて、もちろん嬉しかったですが、またまた恐縮でした。
上田さんのお土産はお米で作ったパンとのことで、飛鳥米コルネ
と称し、モッチモチの生地に濃厚なカスタードクリームが入って
いて、後で家で頂きましたが、ものすごく美味しかったです!
ありがとうございました。
試合後の上田さんとのツーショットです。僕が着ているシャツは
昨年の宇陀市講習会で上田さんから頂戴したものです。
このシャツを気に入ってよく着ているので、今回もバッグに
入っており、せっかくということでそれに着替えたのでした。
そして試合ですが、反対側の山では、真野くんと、京都の太田さん
がファイナルの熱戦を展開していました。
お互いに、打って拾って声出しての熱い戦いでしたが、安定度と
スキルに勝る太田さんが最後に抜け出し、真野くんは準決勝で
涙を飲みました。
準決勝から決勝まではあまり時間が空かなかったので、太田さん
は、きっとファイナルの疲れをひきずったまま、決勝に臨むこと
になったわけです。真野くんのナイスアシストです!
太田さんとは初対戦でした。過去の素晴らしい実績は存じ上げて
おりましたし、サウスポーから繰り出すトリッキーな感じの
ショットは、きっとイヤな感じなんだろうなぁ、と少し不安な
気持ちを抱えての対戦でした。
不安な気持ちを払拭するためには、攻撃あるのみです。
僕は、できる限り、打てる球はスマッシュを打っていく作戦に
出ました。
当日のシャトルはちょっと飛んでいたことと、スマッシュを打つ
時、しっかり体を入れて打てて、コースがライン際によく決まって
くれたので、終始僕が安全なリードを保ち、また太田さんも準決勝
の疲れからか制球が定まらずミスが目立ち、不安な気持ちとは
相反して、2-0で完勝することができました!
試合後、太田さんは
「お疲れ様でした。シニアでの試合を見ていましたが、とても
敵わないと思っていました。ラウンドからのスマッシュが一瞬
クッと体が入るので、リバースカットかと思ったらスマッシュが
きたので、取りにくかったです。またよろしくお願いします」
と僕との対戦の感想を紳士的なコメントで頂きました。
僕からは
「準決勝のファイナルが効いていたのだと思います。真野くんの
ナイスアシストでした!
スマッシュは僕もためて打つようにはしています。
あと、今日はシャトルが飛んだので、結構バックアウトが多かった
のが助かりました。こちらこそ今後ともよろしくお願いします!」
とお伝えしておきました。
今回の近畿シニアは単複二冠、シングルスは連覇という嬉しい結果
となりました。
いつも思いますが、最終的な結果はこうだったとしても、試合前
はずっと不安なものなんですよね・・・
やってもいない前から、負けたことを想像したりしている自分が
居て、それがいつもとてもショボく情けなく思えます。
そういうことを考えそうになった時には、極力自分をせせら笑って
「アホやなぁ。まだ起こってもいないことを何考えとんねん!」
と茶化していました。
でも、そういうことを考えるのは、負けたくないから気持ちから
こその症状だと思いますので、自然な感情であり抑えることは
難しいかもしれません。
無理に消そうとしても消えにくいと思いますので、その不安を
危機感として捉えて、その危機感を練習のモチベーションに
していければ、不安に思う気持ちを昇華させて上達につなげる
ことができるのかもしれませんね。
この考え方は、前向きで僕らしいですね〜
その他の結果としては、最後まで確認はできなかったのですが
35歳シングルスは、第一シードの小川さんと第二シードの荒木さん
が戦っていました。
見た限りでは、荒木さんがラリーを少し優位に進めていたような
・・・
40歳シングルスは、兵庫の高井さんが貫録の優勝でした。
決勝の相手は、同じく兵庫の阿久津さんでファイナルだった!?
ようですが、しっかり勝ち切るところはさすがですね。
全日本シニアで4強に入っていながら、今回の試合で高井さんの
シード下に入ってしまっていた林くんも、残念ながら今回は
やられてしまいました・・・
林くんに
「高井さんは強いねぇ」
と話しかけたら、他人事のようなそっけない口調で
「強いっすね」
とさらっと話したあたりに、林くんの悔しさが滲み出ていました。
Hiwakaiの練習にもよく来てくれるYクラブの永田くんは、準決勝
で高井さんと対戦しましたが、対戦前には負けて元々の全く
プレッシャーのない理想的な精神状態でした。
それが奏功したのか、ファイナルにもつれ込んでファイナルも19点
まで奪うという大接戦を演じたのでした!
でも試合後にその報告を永田くんから聞いた僕は
「そこまで行ったら勝っとけや〜!」
と笑顔で軽い叱咤激励をしておいたのでした。
永田くん、ナイスファイトでした。
50歳シングルスは、絶対王者の楠本さんが今回もまた優勝かと
思っていたのですが、いつも決勝で楠本さんに苦杯を嘗めてきた
阪急電鉄の大野さんが、見事にリベンジ達成!感動の近畿シニア
初優勝を飾られたのでした。おめでとうございます。
その試合は少しだけ見ていましたが、いつもに比べて明らかに
動きの良くなかった楠本さんを、冷静に四隅に振って、楠本さんの
無理攻めを誘って、逆にレシーブでラリーを取っていたのが
印象的でした。
いつもお世話になっている楠本さんの敗戦は、残念ではありますが
たまに負けることで、またモチベーションも上がるっていうもの
ですよね?
まずは、体調を戻して、また大野さんとの熱い意地の戦いを僕らに
見せて頂けたらと思います。
そして、55歳シングルスでは三連覇中の川口さんを、野牧さんが
準決勝で撃破して、その勢いのまま決勝も勝って、見事優勝を
飾りました!おめでとうございます。
僕が髪の毛を伸ばして染めて色気づいて!?いるのと好対照に
野牧さんは、長かった髪をバッサリ切って、短い精悍な表情に
変わっておられ、またプレーも少し攻撃的に打つようになられた
ように思われ、少し進化されたように感じました。
55歳近畿チャンプ、野牧さんとの嬉しいツーショットです!
Photo by SOB横内さん
ということで、全編バドの話でしたので、今回はここまでにして
おきます。
ではそろそろ王将のランチでも食ってくるかな(^^)し